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北海道の秘境スポット(穴場的観光スポット)の紹介が中心です。

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初めての北海道(その1) 旅の序曲は青函連絡船

高校生の頃、宮脇俊三氏の紀行文をよく読んでいました。氏の「北海道への旅は青函連絡船からはじまる、あるいは、はじまるべきだ」との一文に影響され、自分も初めて北海道に行くときは青函連絡船で!という思いがありました。

ところが、大学受験で足踏みをしているうちに青函トンネルが完成してしまい、晴れて自由の身になる(大学生になる)直前の3月13日に青函航路の通常運航が終了してしまいました。ちょうど受験→合格発表→東京で部屋探しという時期で、廃止直前に青函連絡船に乗りに行くという余裕もなく、その思いを実行に移せないまま終わってしまいました。

 
JR時刻表'88.8
 (JR時刻表 1988年8月号より)

しかし、一度はあきらめた青函連絡船ですが、すぐにチャンスが巡ってきました。ラッキーなことに「青函トンネル開通記念博覧会」の開催中は青函連絡船が1日2往復復活運航されているというのです。そしてその夏、いよいよ憧れの北海道へ。

(※青函トンネル開通記念博覧会は、青函トンネル開通を記念して青森市と函館市で開催)


北海道ワイド周遊券
北海道ワイド周遊券
チケットは帰省先の奈良で「北海道ワイド周遊券」を学割で購入しました。奈良発の周遊券の設定がなかったので、大阪発のものです。券面には44,000円とありますが、実際は学割で3割引となるので32,300円でした。これで北海道までの往復乗車券(急行の自由席も乗車可)と、北海道内乗り放題(特急・急行の自由席も乗車可)のパスを確保したことになります。

まずは奈良を出発し、一旦東京の下宿へ移動。ただし、奈良→東京間の記憶があやふやなうえ、記録もありません。静岡→東京は周遊券を有効活用し、急行「東海」に乗ったような気がしますが、静岡までは新幹線だったのか、鈍行乗継だったのか不明です。


 青函連絡船・十和田丸
いずれにせよ、一旦東京の自宅に寄り、帰省先から旭川に戻る友人と合流。
その夜、友人とともに上野発の夜行急行「八甲田」乗車。
ここからが11泊12日の北海道旅行のスタートです。

そして八甲田の自由席に揺られ、翌朝青森着。
いよいよ青函連絡船に乗り換えです。



青函連絡船・十和田丸
はじめて乗船した連絡船は「十和田丸」でした。潮の香りを感じながらの出航は、いよいよ北海道へという気分を高揚させてくれました。

青函連絡船・十和田丸
甲板には青森EXPO'88の文字も伺えます。

前方に函館山が見えてきたら、3時間50分の航海も終了。これで「上野発の夜行+連絡船」という形で念願の北海道へ上陸することができました。今ならこんなしんどいルートは避けますが・・・(笑)

そして、その後は特急を乗り継いで、旭川の友人宅へ。さらに翌日からは、その旭川の友人宅をベースに、①友人の車で道東観光、②周遊券を活用してローカル線の旅、③旭川→札幌→函館と観光しつつ南下と、2泊3日程度の小旅行を3つ組み合わせるような形で行動していくことになりますが、これらについては、また後日紹介させていただきます。
  
  
■北海道旅行、初日の行程
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上 野 23:35発 急行 八甲田(自由席)
青 森 09:08着
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青 森 09:30発 青函連絡船 1便(臨時便) 十和田丸
函 館 13:20着
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函 館 15:00発 特急 北斗11号(自由席)
苫小牧 17:57着
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苫小牧 18:41発 特急 ホワイトアロー13号(自由席)
旭 川 20:59着
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(泊)旭川の友人宅


その2「憧れの道東・知床へ」に続く

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思い出のマーニーの舞台「藻散布沼」は蚊の巣窟だった!?(浜中町)


宿で、今年のジブリ映画「思い出のマーニー」の舞台となった沼があると聞き、さっそく探検してきました。沼の名前は「藻散布沼」(もちりっぷとー)。藻散布沼の太平洋に接する部分が藻散布漁港となっており、そこを道道123号線が通っているので、行き方は簡単です。



藻散布漁港からでも沼を眺められますが、雰囲気がいいのはやはり奥の方です。道道123号線を霧多布方面から来た場合、藻散布沼に架かる藻散布橋を渡ると道が右にカーブします。そのカーブの途中に、昆布を干す作業場のほうへ入る道があります。作業場の脇の細いダート道を入っていくと、沼の奥の方へ進めます。上の写真は、そのダート道から昆布を干す作業場を撮ったものです。



ダート道を少し進むと、さっそくタンチョウの親子がお出迎えです。真ん中の少し灰色がかったのが子供ですね。



しかし、近づくと、こちらの気配を感じたようで、沼の奥の方へ飛び去ってしまいました。



この水面から、ボコボコと草が生えている風景が、思い出のマーニーの中にも登場するようです。



藻散布沼は0.5k平方mほどの小さな海跡湖沼ですが、その奥には、さらに小さな沼もあり、湿地が広がっています。



ダート道の一番奥まで行くと、エゾシカも現れました。冬場は、越冬する白鳥の姿も見られるようです。



静かで大変良い所です。しかし!!とにかく蚊が多いです。写真を撮ろうと車を降りると無数の蚊に襲われます。キャンプ用に持っていた蚊取り線香を大量に焚いてみましたが、ほとんど効果がないような状態。あわてて車に逃げ込んでも、すでに車内も蚊だらけ(笑)。藻散布沼をゆっくり探検するのは蚊の出る季節を避けたほうが良さげです。



<藻散布沼>
■所在地:北海道厚岸郡浜中町散布

 

秘境度:★★★☆☆
[雰囲気]
 訪れる人もおらず、静かでいいところです。
[難易度]
 細いダート道を入る必要はありますが、まず対向車は来ないでしょう。
 夏場に行くには蚊対策が必要です。

(※あくまでも筆者の主観です)

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知床でヒグマと遭遇

今年の8月下旬、羅臼湖探検を終え、知床自然センターに寄ってから国道334号線をウトロ市街へ向けてレンタカーを走らせていた時のことです。プユニ岬を越えると、カーブの少し手前に対向車が停車しているのにが見えてきました。ん?こんなところで何をしてるんだろう?と思ってよくみると、その車の前を、ノシノシとヒグマが歩いているではありませんか。


かつて遠目にヒグマを見かけたことはありましたが、こんな至近距離から見るのは初めてです。しかも、そこそこ交通量のある国道で遭遇するとは驚きです。



人慣れしているのか、人の姿を見ても、我関せずといった感じで歩いていました。その様子を見ていると、「おお、クマだ!」と一瞬上がりかけたテンションも、ちょっと複雑な気持ちに・・・



というのも、直前に立ち寄った知床自然センターで、知床財団が注意喚起のために作った「エサやりがクマを殺す」というカードを貰ってきたばかりだったからです。



このカードの裏面には、観光客が与えてしまった1本のソーセージをきっかけに、人に慣れてしまったクマが、市街地にまで入り込むようになり、ついには小学校のそばで射殺されてしまうという悲しくも切ないお話が書かれています。

今回遭遇したヒグマも、人慣れしているようにも見えたので、このような悲しい結末に至らなければいいのですが・・・

ちょっと考えさせられる知床での出来事でした。



【関連サイト】
  ・知床ヒグマえさやり禁止キャンペーン
  ・知床財団

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霧多布湿原・琵琶瀬川カヌー(北海道・浜中町)

今年も霧多布に行ってきました。北海道で湿原といえば釧路湿原を思い浮かべられる方も多いと思いますが、霧多布湿原は釧路と根室とのほぼ中間の太平洋岸に広がる湿原です。


霧多布湿原といえば、琵琶瀬展望台からの眺望が有名です。



霧多布湿原の南に位置する琵琶瀬展望台からは、広大な湿原の中を蛇行する琵琶瀬川の姿が一望できます。



また、霧多布湿原センターや霧多布湿原ナショナルトラスト付近からは、いくつか木道が整備されており、そこを歩いて湿原の奥まで散策することも可能です。



しかし、今回は趣向を変え、カヌーを使ってより湿原の奥まで探検してみることにしました。



霧多布湿原内を流れる琵琶瀬川を下る(上る)カヌーツアーは、近隣のペンションや民宿主催のものがいくつかあります。価格も良心的なところが多い印象です。そのなかから、今回は「宿房樺のん」さんにガイドをお願いしました。



スタートは琵琶瀬川の河口です。今回は潮流や風の関係で、「川下り」ではなく「川上り」という形になりました。ちなみにカヌーは安定感のあるカナディアンタイプです。



川から湿原を眺めることで、展望台や散策路からは味わえない湿原の雰囲気を満喫することができます。河口付近は川幅も広く、まるで湖の上を進んでいるような感覚です。水深は意外なほど浅いです。場所にってはパドルをこぐとと川底に届いてしまうような深さです。



水面の低い目線で自然を満喫できるのがカヌーの醍醐味です。徒歩では近づけないタンチョウの生息地にも接近できるなど、野生動物の息吹もより身近に感じることができます。



上流に向かうにつれ、川幅も狭くなり、河口付近とはまた違った雰囲気になってきます。



そして、霧多布湿原センター近くの寿磯橋がゴールとなりました。1時間少々の湿原探検となりました。のんびり穏やかな至極の時間を過ごすことができました。



カヌーを満喫した後、琵琶瀬展望台を訪れると、霧多布湿原が夕陽でそまっておりました。



霧多布沖に浮かぶ嶮暮帰島(ケンボッキ島)も夕陽に照らされていました。まさに、洋上に浮かぶエアーズロックといった感じです。
(嶮暮帰島は、かつて初代ムツゴロウ動物王国があった島ですが、現在は無人島となっています)



そして、太陽は霧多布湿原・琵琶瀬川の向うに沈んでいきました。


<霧多布湿原・琵琶瀬川カヌー>

■所在地:〒086-1822 北海道厚岸郡浜中町

■関連サイト
 ・霧多布湿原センター
 ・霧多布湿原ナショナルトラスト
 ・浜中町観光協会~おもしろ体験



秘境度:★★★☆☆

[雰囲気]
木道散策では味わえない、ディープな湿原の雰囲気が味わえます。

[難易度]
琵琶瀬川は流れも穏やかで、釧路川のような急な流れも少ないです。同乗するガイドさんがしっかり梶取りをしてくれますので、初心者でも安心して参加できます。


(※あくまでも筆者の主観です)

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羅臼湖(北海道・羅臼町)


知床半島最大の湖、羅臼湖へ行ってきました。

羅臼湖は、一般的な観光客はまず訪れない秘境度の高い場所です。
羅臼湖の入口から羅臼湖展望台までは、徒歩で往復約3時間(約6km)かかります。
その工程は決して整備された遊歩道ではありません。
一部木道が設置されているところもありますが、大半はぬかるんだ悪路です。

駐車場もトイレもありません。しかもヒグマの生息地に進入していくので、いろいろと事前の準備が必要です。



羅臼湖への道はぬかるみが多く、長靴が必要となります。
まずは知床自然センターで長靴をレンタルしました。1日500円。
知床峠の反対側、羅臼ビジターセンターでも同様に長靴を借りることができます。



羅臼湖入口には駐車場がありません。知床峠にレンタカーを駐車し、そこからバスを利用することに。知床峠-羅臼湖入口間片道210円、所要約5分でした。



バスを降りると、知床横断道路の脇に、羅臼湖の入口があります。



まずは入林届を記入して、出発です。



歩き出すといきなり、ぬかるみの連続です。



ぬかるみを避けて歩くと、歩道脇の植物を傷めることになるので、ぬかるみがあっても真ん中を歩くのが、羅臼湖のルールです。スニーカーはもちろん、登山靴でも厳しい感じ。やはり長靴が最適です。



入口から約12分歩くと、まず二の沼が現れました。



さらに進むと三の沼が現れます。ここは天候が良ければ、湖面に「逆さ羅臼岳」が映し出される絶景ポイントなのですが、残念ながらこの日の羅臼岳は霧に隠れていました。



三の沼を過ぎると、ちょっと道がキツクなりました。



そして坂を上りきると、アヤメが原といわれる湿地帯が広がりました。



このあたりは木道も整備されておりました。




四の沼の少し手前に、携帯トイレブースがあります。携帯トイレを使う際は、このテントを使わせてもらいましょう。



決して、直接出してはいけません!



携帯トイレブースを越えて少し坂を上ると四の沼が姿を見せます。ここまでで、約1時間かかりました。



こちらは沼・・・ではなく、今回最大級の水たまり。



五の沼まで来ると、あと一息です。



そしてようやく羅臼湖の展望台に到着です。
少し早めに歩いたつもりでしたが、ここまで1時間20分かかりました。



結局ここまで晴れ間はでず、対岸の山々には霧がかかっていました。その分、幻想的な雰囲気があり、秘境感は満喫できましたが、やはり晴れて欲しかったですね。



動画も撮ってみました。



帰路、二の沼と入口の間から右に折れ、目梨望遥台に登ってみました。登り出してみると結構キツイです。ハイマツの中の道を進み、尾根まで出ると、眺望が広がりました。



この頃には天候も好転し、バッチリ国後島まで眺望することができました。
 
 

<羅臼湖>

■所在地:〒086-1822 北海道目梨郡羅臼町湯ノ沢町225林班
■駐車場:なし
■トイレ:なし

■アクセス(羅臼湖入口まで)
 (1)知床峠の駐車場(無料)に車を止めて歩く(峠から入口まで約2キロ、40分)
   ※ただし歩道がないので、車道脇を歩くような形。通行注意。
 (2)ウトロ-知床峠-羅臼湖入口-羅臼間を結ぶバスを利用
   ※運行日、時刻注意(6~10月中旬、1日4往復)、運行:阿寒バス、斜里バス
 (3)タクシーを利用
   ※現地では携帯が使えなくなるので、帰路も事前に予約しておいた方が良いでしょう。
 (4)ガイドを依頼(入口まで送迎してくれる)

■アクセス(羅臼湖入口~羅臼湖展望台まで)
 徒歩で、往復約6km(約3時間)

■最低限必要な装備。
 ・長靴(ぬかるみが多く、登山靴でも厳しいです)
 ・携帯トイレ(知床自然センターでも販売しています)
 ・クマ対策(鈴やホイッスル、クマスプレーなど)
 ・レインウェア、防寒具(夏でも寒く、霧も濃いです)
 ・水分補給用の飲料水
  (※知床峠、羅臼ビジターセンターには自販機がないので要注意)

■その他注意事項
 ・動植物の採取禁止
 ・ストックを利用する場合はキャップを着用
 ・ゴミは必ず持ち帰る
 ・ペットを連れて行かない(ヒグマを刺激し危険)
 ・ぬかるみでも歩道の真ん中を歩く(ぬかるみを避けて歩くと、歩道脇の植物を傷めることになる)

■関連サイト
 ・知床自然センター
 ・羅臼ビジターセンター



秘境度:★★★★★


[雰囲気]
訪れる人も少なく、秘境感たっぷりです。

[難易度]
軽登山に準じた経験、準備、体力が必要です。木道などの施設も必要最小限しか整備されていません。


(※あくまでも筆者の主観です)

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